MARTZ TECHNOLOGIES, INC.
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AUTOCAD ユーザー事例
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Martz Technologies, Inc. は、米国中部大西洋沿岸地域のさまざまな事業者に自動化システムを提供する産業オートメーション企業です。同社のエンジニアリングチームは、数年にわたり AutoCAD LT を使用してきました。しかし、まもなく、標準化を進めるためには、AutoCAD LT から移行する必要があることがわかりました。AutoCAD LT の使用をやめる決断は容易ではありませんでしたが、AutoCAD に移行し、サブスクリプションに含まれる Electrical ツールセットを利用し始めたことで、その効率性と機能によってまったく新しい世界が開かれました。
Martz Technologies, Inc. (英語)は、約 20 年間にわたり、中部大西洋沿岸地域のさまざまな事業者に産業システムを提供しています。同社は、食品製造、浄水施設、下水処理施設などの電気、制御エンジニアリングで、新しい制御パネルや装置の機能改善と製作に力を入れています。そのため、まったく新しい電気図面も必要となります。
「会社創立時から、AutoCAD LT をずっと使用してきました」と Martz Technologies のプロジェクト マネージャ、David Slusser 氏は話します。「しかし、チーム間での CAD の標準化は常に課題となっていました。経験のない人から見れば、過去 10 年、15 年の図面を見ても違いに気付かないかもしれません。けれども、レビューのためにピアチェックを実施して要所確認を行うと、エンジニアによって差があるのです」
2 年ほど前に入社したエンジニアから、標準化に役立つツールがあるという勧めがあったため、Martz Technologies では、AutoCAD と AutoCAD と Electrical toolset を検討してみることにしました。
「これらを試してみましたが、その時点では、作業負担が高かったため、習熟に必要な時間に投資することができませんでした」と Slusser 氏は言います。「結局、以前からの手段に戻り、時間がかかる従来の方法を続けることにしました」
「昨年、ついに会社として、AutoCAD と Electrical ツールセットへの移行を進める決断を下しました」同氏は次のように続けます。「製品の機能が豊富であることを認識していたうえ、導入の時間を短縮する必要があるとわかっていたため、オートデスクのパートナーである Synergis Engineering Design Solutions (英語)に依頼し、エンジニアリング グループを対象にしたオンサイト トレーニングを実施しました」
移行における重要な決定は、導入プロセスの監視と会社の図面の標準化管理のために、AutoCAD の導入推進者を任命することでした。この役割は、Rich Kaminski 氏が担うことになりました。Synergis 社のトレーニングとアドバイスによって、Slusser 氏と Kaminski 氏は、標準化がどのように改善されるかをすぐに理解できました。
「AutoCAD LT を使用していたときに、シンボルを標準化するために Electrical ツールセットのようなものを作成しようとしましたが、うまくいきませんでした」と Kaminski 氏は語ります。「個人のラップトップでシンボル ライブラリを変更しても、その変更をアップロードするのを忘れてしまうということが幾度もありました。今は、何でもグローバル サーバに反映させるだけで、誰もがアクセスできます。たとえば、アイコンを変更すると、他のすべてのユーザーもそのアイコンを使用できるようになるので、会社全体で統一できます。これは、標準化に大いに役立ちました」
AutoCAD と Electrical ツールセットで作成した図面。画像提供: Martz Technologies, Inc.
中核となる標準化の目標をついに達成できたと同時に、さらに多くの機能があったことは期待以上の収穫でした。
「トレーニングセッションで、図面にバッチ変更を加えて Excel に書き出し、修正したあとに再び読み込む方法を学びました」と Kaminski 氏は言います。「この機能には非常に驚きました」
「スプレッドシートから AutoCAD の記述を操作する機能は、各図面を開くよりもはるかに簡単です。特に、プログラマブル ロジック コントローラ(PLC)の統合で使用するための書き出しには非常に効果的です」と続けて話します。「2 点の IO を変更するだけなら、それぞれの図面を開いて各行を編集するのは簡単です。以前、AutoCAD LT を使用していたときに、2,400 点の IO と 260 ページの図面セットが伴うプロジェクトを手掛けたのですが、数人で作業したにもかかわらず、完了までに 6 ヵ 月かかりました。Electrical ツールセットを使用すれば、Excel で記述や図面を編集できるため、メリットは非常に大きく、時間を節約できます。あのプロジェクトも、半分の時間で完了できたはずです」
画像提供: Martz Technologies, Inc.
また、配線参照、番号付け、部品表(BOM)などの機能が新しい意義を持ちます。
「管理の観点から言うと、部品表は非常に重要です」と Slusser 氏は言います。「導入を進めるに従い、部品表が正確で、図面セットと整合性がとれていることがわかります。これは大きなメリットです」
チームは Electrical ツールセットを数ヵ月間使用し、既にそのメリットを実感しています。2017 年に、Martz Technologies は、長年取引がある顧客の製造施設の油圧プレス用に制御パネルの図面を AutoCAD LT で作成しました。AutoCAD LT を使用し、220 時間かけて図面を作成しました。現在、同じ会社の新しいプロジェクトでは、Electrical ツールセットを使用して、3 台の新しい油圧プレスを手掛けています。
1 台目のプレスについては、2017 年に作成した AutoCAD LT の図面をすべて見直し、Electrical ツールセットを使用してその図面を更新します。2 台目と3 台目のプレスはすべて、1 つの大きな図面パッケージに取り込む必要がありました。最初の図面を Electrical ツールセットに変換したのち、採番スキーマは 1 つの図面パッケージに対応するように完全に再設計されました。
インストールされた制御パネル。画像提供: Martz Technologies, Inc.
3 台目のプレスは、他の 2 台プレスよりも物理的に 2 倍大きく、より複雑です。1 台目のプレスの変換された図面を土台として使用することによって、簡単に図面を修正して拡張できました。
新しいプロジェクトに費やした作業時間は、新しい油圧プレス、複雑性、追加のトレーニング、事前カスタマイズなどをすべて含めて、合計でわずか 550 時間でした。これらのカスタマイズを行うことにより、将来のプロジェクトに費やす時間はさらに短くなります。
「このプロジェクトでは、カスタム シンボル ライブラリの作成、線番の配置、参照、採番スキーマの配置の変更など、当社のニーズに合わせて Electrical ツールセットをカスタマイズできました」と Slusser 氏は語ります。「また、このプロジェクトを、Electrical ツールセットに慣れていないエンジニア 2 名のトレーニング プラットフォームとしても使用しました」
現在 AutoCAD LT を使用しているユーザーには、AutoCAD への移行について躊躇や懸念があることを、Slusser 氏は理解しています。しかし、彼にとっては大きな価値がありました。
「AutoCAD LT からの移行や、AutoCAD に含まれるツールセットの使用を検討している方には、ぜひ実行してみることを勧めます」と同氏は話します。「ただし、辛抱強く取る組む必要があります。ここで述べたことはほんの一部であって、私たちも、今後さらに活用していくために学ぶべきことがまだまだあります」
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